<參加者>115名の海外若手研究者

2009年6月16日、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、カナダから計115名のフェローが來日し、2009年度JSPSサマー?プログラムが始まりました。日本滯在最初の1週間は、葉山でのオリエンテーションです。今年度は新型インフルエンザの流行が心配されていましたが、大きな混亂もなく、フェローは2泊3日のホームステイを含む、特別講義、日本語授業、日本文化紹介、ポスター?プレゼンテーション等に參加し、今後の日本生活に向けた順調なスタートを切りました。オリエンテーションでは日本語授業、日本文化紹介といった日本に関する知識の他、ポスター?プレゼンテーションでは同分野はもちろん異なる分野のフェローとも意見交換することで、今後の研究に大きな刺激を得たようでした。このポスター?プレゼンテーションには総研大の學生15名も參加し、総研大の學生にとっても大変貴重な経験となりました。1週間のオリエンテーションを終え、日本生活への期待を更に深めたフェローたちは、6月24日、全國の受入研究機関に向け、それぞれ出発していきました。

8月25日、受入機関での研究生活を終えたフェローたちは、本プログラムの締めくくりとなる報告會?送別會に參加するため、全國から品川に集まりました。報告會では、各國の學術機関から選ばれた7名の代表者が、日本での研究及び成果、また、日本滯在の感想について寫真等を交えながら発表しました。その後の送別會には受入研究者やホストファミリーも加わり、約250名が參加する大変賑やかなものとなりました。送別會終了後の會場ロビーには、受入研究者やホストファミリーとの別れを惜しむフェローの姿がいつまでも見受けられ、フェローが日本滯在中に研究面の他にも多くの収穫があったことを物語っているようでした。

下記は、6月のポスター?プレゼンテーションに參加した、本學先導科學研究科生命共生體進化學専攻の河野恵美子さんの送別會?報告會に関するレポートです。

『JSPSサマープログラムフェローから、學んだこと』

8月25日品川のホテル、およそ2カ月ぶりの再會に賑わうなか、JSPSフェローの送別會が始まった。アメリカ、イギリス、フランス、カナダ、ドイツ、と各國のフェローの代表がユーモアを交えながら成果報告を行うにつれ、場が和み會場が発表に引き込まれて行くのを感じた。數學、化學、生物と多様な內容にも勿論興味を覚えたが、私はその発表の技術にも學ぶところが多かった。どのフェローも専門外の人にも分かりやすいようにと比喩を用い、ウィットにとんだ発表を心掛けていた。

今年は梅雨が異常に長く、フェローが撮った寫真にも今にも降り出しそうな曇天が多く寫っていた。しかし、雨もJSPSフェローの好奇心に水を差すことは出來なかったようだ。中には土中のキノコを、または水中のカイメンを求めて日本各地を旅し、日本に長らく住む私よりも多くの都道府県を訪ねたのではないかと思わせるフェローもいた。日本での研究活動は彼らを大いに刺激したようで、私が話を聞いたフェローの誰もが「新たな課題が見つかった。戻ったらやることが沢山ある。」と話してくれた。そして皆このJSPSのプログラムで出會った人々と今後も連絡を取りたいと願っていた。

多くのJSPSフェローはよく學ぶと同時によく遊んでおり、忙しい研究の合間にも積極的に日本観光を楽しんでいた。中でも富士山を登頂したフェローの多さに私は驚かされた。富士山は日本の象徴的存在であり知らぬ者がいないほど有名だが、実際登った経験がある日本人はどの位いるのだろうか。JSPSのフェローに日本で一番印象的だった場所はと聞くと、私が聞いた限りでは皆「Mt.Fuji」と口をそろえて言っていた。その理由を尋ねてみると、どうやら他の山から孤立し眼下に雲海が広がること、草木の生えない火山であることなどが彼らを引き付けたことが分かった。富士山に登ったことのない私にその魅力を「火星に行ったみたいだった」と表現してくれたフェローもいた。

富士山のこともそうだが、今回JSPSフェローと交流する中で日本人である私の方が彼らから日本について學ぶことが多くあった。一つ印象的だったのが、送別會の後居酒屋で日本酒を飲みながら話していた時のことだ。カナダからのフェローが、彼が滯在していた研究室で目上の人が來ると目下の人々が議論を止めてしまうことが不思議でならなかったと話してくれた。しかし同時に、彼はその上下関係がチームで一丸となって研究を行う上では素晴らしいものだったとも話してくれた。私はタテ社會に否定的で、その様な利點があるとは考えてもみなかったので驚いた。私はフェローたちの日本文化に対するフェアな姿勢にとても感銘を受けた。

私は送別會でフェローに対し、「日本では何が印象的だったか」「日本で驚いたことは何か」など「日本...」を冒頭に付けて質問することが多かった。それは彼らを外の人としてみなしていたから出た問いだったのだと思う。しかし、フェローは今回の滯在で「外」から日本を見るのではなく、「內」から見ようとしていたのだと彼らと話すうちに強く感じた。そして、私の方が彼らとの間に壁を作ってしまっていたのだと気付くことができた。今回JSPSのフェローと出會い、交流する機會を持てたことに心から感謝している。

(生命共生體進化學専攻 五年一貫制博士課程1年 河野恵美子)

2009年JSPSサマープログラム集合寫真
2009年JSPSサマープログラム集合寫真

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